サッシサイズ表は、窓やサッシを選ぶときの「ものさし」です。数字が並んでいるだけに見えますが、読み方のコツをつかむと、交換やリフォームの失敗をかなり減らせます。
ただし、サッシの寸法は「呼称(読み方の決まり)」や「外法・内法」など、前提になる考え方がいくつかあります。ここを飛ばすと、同じ数字を見ているのに解釈がズレてしまいます。
この記事では、サイズ表の基本、メーカーや窓の種類による違い、現地での測り方、注文前のチェックまでを順番に整理します。専門用語はかみ砕いて説明しますので、初めてでも大丈夫です。
サッシサイズ表の基本と寸法の読み方
サッシサイズ表は「どの窓が、どの寸法で作られているか」を一覧で示した表です。最初に呼称とW・Hの読み方を押さえると、その後の確認がぐっと楽になります。
サッシの「呼称」と寸法体系をつかむ
サイズ表でよく見かける「11907」のような表記は、ただの暗号ではなく呼称(その窓を呼ぶための番号)です。
呼称は幅と高さを一定のルールでまとめたもので、実寸そのものとは限りません。まずは「呼称は目安の札」と考えると混乱しにくいです。
W・H表記と単位(mm)の読み違いを防ぐ
多くのサイズ表は、幅をW、高さをHで表します。単位はmmが一般的で、cm感覚で読んでしまうと一気に10倍ズレます。
さらに、ガラス寸法ではなく「サッシ枠込みの寸法」を示している場合もあります。表の注記に「枠外」などの言葉がないかを確認します。
外法・内法・開口寸法の関係を整理する
外法は枠の外側どうしの寸法、内法は枠の内側どうしの寸法です。開口寸法は壁側の穴の寸法で、取付に直結します。
同じ窓でも、外法と開口寸法は一致しません。壁に収めるための余裕が入るためで、ここを同一視すると、取り付けで苦労します。
表の数字だけで判断せず、注記や図の矢印がどこを指すかまで見ると読み違いが減ります。
ミニQ&A:呼称の数字が実寸と違うのはなぜですか。呼称は窓を区分するための番号で、実寸は枠の種類や納まりで微妙に変わるためです。
ミニQ&A:mm表示に慣れていません。どう確認すればよいですか。メジャーの目盛りをmmで読み、幅と高さを声に出してメモすると、読み間違いが起きにくくなります。
- 呼称は実寸そのものではない
- Wは幅、Hは高さで多くはmm
- 外法・内法・開口寸法は別物として扱う
- 注記と図の矢印で測定位置を確定する
メーカーとシリーズで変わるサイズ表の見分け方
同じ「引違い窓」でも、メーカーやシリーズが違うと呼称や寸法の基準が変わることがあります。サイズ表は、まず「どの製品の表か」を特定するのが近道です。
メーカーごとの呼称差はまず前提として考える
住宅の窓は複数メーカーが扱っており、呼称の付け方や表の並びが同じとは限りません。つまり、他社の表を見て当てはめるのは危険です。
まずは手元のサッシに貼られているラベル、または図面の品番からメーカーとシリーズを押さえます。ここが決まると参照する表が絞れます。
カタログ内でサイズ表が載りやすい場所
サイズ表は、商品説明ページではなく、仕様や寸法図がまとまった章に載ることが多いです。目次で「寸法」「規格寸法」「納まり」などの言葉を探します。
窓種ごとに表が分かれている場合は、引違い、すべり出し、FIXなどの分類を先に合わせます。窓の種類が違うと、同じ呼称でも中身が変わります。
新旧の寸法体系と年式の見分けポイント
住宅の寸法体系は時代で整理方法が変わることがあり、古い家の窓は新しい表と並べても一致しないことがあります。表やカタログの発行年は重要です。
見分けのコツは、図面に書かれた呼称の形式、品番の桁数、そして「在来」「関東間」などの区分表記です。これらが揃うと年代感が見えてきます。
特に中古住宅や増改築の家は、部屋ごとに年代が違うこともあるので注意が必要です。
具体例:リビングの引違い窓だけ交換したい場合、まず既存サッシのラベルからメーカーとシリーズを控えます。次に同シリーズの寸法図の章で引違い窓の表を開き、呼称と外法寸法を照合します。
- 他社の表を当てはめない
- メーカーとシリーズを先に特定する
- 窓の種類を合わせて表を見る
- 発行年や体系の違いも確認する
窓の種類別によく出る規格サイズの目安
サイズ表は製品ごとに確認するのが基本ですが、窓の種類によって「よく出る寸法の傾向」があります。目安を知っておくと、現地の寸法が不自然かどうかに気づけます。
引違い窓は「よくある寸法」を先に知る
引違い窓は戸が左右に動くため、横幅が比較的取りやすく、住宅でも採用例が多いです。居室の腰窓、廊下の小窓などでよく見かけます。
ただし、同じ引違いでも2枚建てか4枚建てかで構成が変わります。サイズ表では建て枚数やレール本数の区分を必ず確認します。
縦すべり・横すべり・FIXは框と見付に注意
すべり出し窓やFIX窓は、見た目がすっきりしていても、枠や框(かまち、枠の骨組み)の太さで有効開口が変わります。
そのため、サイズ表では外法だけでなく、内法やガラス寸法の欄も見ておくと安心です。換気量や採光の感覚が、数字と一致しやすくなります。
掃き出し・ランマ・網戸は組み合わせで考える
掃き出し窓は床近くまで高さがあり、建具やカーテンとの干渉も起きやすい窓です。サイズ表では高さ方向の区分が多く、見落としがちです。
ランマ(上部の小窓)付きや網戸付きは、単体寸法だけでなく「組み合わせとして成立するか」がポイントになります。部材同士の対応表がある場合は必ず参照します。
引違いは建て枚数、すべり出しとFIXは内法やガラス寸法、掃き出しは高さ区分と干渉条件を意識すると判断しやすいです。
ミニQ&A:網戸だけ替えたいときもサイズ表が必要ですか。必要です。網戸はサッシ枠のレールに合わせて作られているため、窓の種類と枠の仕様が合っていないと取り付けできません。
ミニQ&A:ランマ付きは別々に測ればよいですか。基本はセットとして考えます。上下の取り合い部材が決まっていることが多いので、対応する組み合わせ表や寸法図で確認します。
- 引違いは建て枚数と区分を確認する
- すべり出し・FIXは内法やガラス寸法も見る
- 掃き出しは高さと干渉条件に注意する
- 網戸やランマは組み合わせで成立可否を判断する
現地で測るときの手順と注意点
サイズ表で候補が絞れても、最後は現地の寸法が頼りです。測り方を間違えると、正しい表を見ていても結果がズレます。手順を決めて落ち着いて測りましょう。
どこを測るかを先に決めてからメジャーを当てる
まず決めたいのは、外法を測るのか、内法を測るのか、開口寸法を測るのかです。目的によって必要な寸法が変わるためです。
交換や新設の相談では、外法と開口寸法の両方が役立ちます。測る場所を紙に描いてからメジャーを当てると、取り違えが減ります。
取付の余裕寸法と歪みのチェック
窓まわりは、築年数や地震の影響でわずかに歪んでいることがあります。幅は上中下、高さは左右中央のように複数点で測ります。
差が出た場合は、最小値を基準に考えるのが安全です。さらに、取付のための余裕寸法が必要なので、ぴったりの数字だけを追いかけないのがコツです。
写真とメモで「伝わる寸法」に変える
測った数字は、写真とセットにすると伝わりやすくなります。メジャーを当てた状態で撮影し、どこを測ったかが分かる角度を意識します。
あわせて、部屋名、窓の種類、左右の位置関係、開閉方向も書き添えます。数字だけのメモより、後から見返したときの安心感が違います。
歪みがある家ほど、最小値で考えると取り付け時のトラブルが減ります。
具体例:腰窓を交換する場合、外法の幅と高さを上中下、左右中央で測り、最小値を丸で囲みます。次に壁側の開口寸法も同じ要領で測り、写真にメジャーを写しておきます。
- 外法・内法・開口寸法のどれを測るか先に決める
- 幅と高さは複数点で測って歪みを把握する
- 最小値を基準にして考える
- 写真とメモで測定位置を残す
注文・交換で失敗しないチェックリスト
サイズ表と現地寸法が揃ったら、最後は「注文に必要な情報」が漏れていないかを確認します。窓は部材の組み合わせが多いので、数字だけでなく条件を一緒にそろえるのが大切です。
発注に必要な情報を一枚にまとめる
最低限まとめたいのは、窓の種類、メーカーとシリーズ、呼称、外法寸法、色、ガラスの種類です。網戸や換気部材の有無も忘れがちです。
これらを一枚のメモにすると、見積もりや相談がスムーズになります。口頭で説明するより、書いて渡すほうが誤解が起きにくいです。
既存枠への納まりと取付方式の確認
交換では、既存の窓枠を残して納める場合と、枠ごと替える場合があります。どちらかで必要寸法も工事範囲も変わります。
また、外付・半外付などの納まりの違いで、同じ呼称でも部材が一致しないことがあります。寸法図で納まり断面を見ておくと安心です。
迷ったときに確認すべき順番
判断に迷ったら、まず現地のラベルや品番を確認し、次にサイズ表で呼称と外法を照合します。それでも合わない場合は、納まりや年代の違いを疑います。
最後に、写真と寸法メモを添えて相談すると話が早いです。こちらの情報が具体的なほど、的確な回答を得やすくなります。
メーカー・シリーズ・窓種・納まり・ガラス条件が揃うと、サイズ表の読み取りも注文も安定します。
ミニQ&A:呼称が分からない場合はどうしますか。サッシのラベルや刻印、図面の品番からメーカーとシリーズを特定し、寸法図と外法寸法で近い候補を絞ります。写真があると照合がしやすいです。
ミニQ&A:外法が合っているのに付かないことはありますか。あります。納まりの違いや枠形状、レールの仕様差で合わないことがあります。寸法図の断面や対応条件まで確認しておくと安全です。
- 注文情報は一枚のメモにまとめる
- 既存枠を残すか枠ごと替えるかを決める
- 納まりの区分も合わせて確認する
- 迷ったら写真と寸法メモで相談する
まとめ
サッシサイズ表は、窓選びの地図のようなものです。呼称、W・Hの表記、外法・内法・開口寸法の違いを押さえるだけで、数字の見え方が一気に整理されます。
次に、メーカーとシリーズ、窓の種類、カタログの年式を揃えると、参照すべき表が自然に絞れます。さらに現地測定では、測る場所を決め、複数点で歪みを確認し、写真とメモで残すのがコツです。
最後は、注文に必要な条件を一枚にまとめて漏れを防ぎましょう。数字と条件がセットになれば、交換やリフォームでも判断がぶれにくくなり、納得のいく窓選びにつながります。


