アルミ製の網戸は、規格品を買うだけでなく、自分の窓に合わせて組み立てるという選択肢もあります。特殊なサイズの窓や、既製品ではぴったり合わない窓枠でも、カット式のキットを使えば手元で調整できます。古い住宅や増築部分の窓など、規格の隙間に入り込みやすい窓を持つ方にとっては、心強い選択肢になります。
窓まわりのDIYの中でも、網戸の自作は比較的取り組みやすい部類に入ります。必要な工具も少なく、採寸さえ正確にできれば、初めての方でも一枚を仕上げられます。とはいえ、寸法の測り方やネットの選び方を誤ると、仕上がりに差が出やすい作業でもあります。
この記事では、アルミ製の組立網戸キットを使った作り方の手順と、網の選び方、安全に使うための注意点までを順番に整理します。読み終えるころには、自分の窓に合うキット選びの見当がつくはずです。ご自宅の窓の状態を思い浮かべながら読み進めてみてください。
アルミ網戸を自作するときにまず知っておきたいこと
組立式のアルミ網戸には、規格品にはない自由度があります。ここでは製品の仕組みと、既製品との違い、自作に向く窓の条件を順に整理し、キット選びの前提をそろえます。
組立式のアルミ網戸とはどんな製品か
組立式のアルミ網戸は、枠材と網を別々に用意し、窓のサイズに合わせて現場でカットしながら組み立てる網戸です。枠はアルミ製で、のこぎりで切断できる硬さに調整されています。コーナー部分は差し込み式になっている製品が多く、特別な溶接や接着をしなくても四角い枠を組み上げられます。
川口技研のOK組立アミドのように、高さ・幅ともにミリ単位で自由に仕上げられる製品では、最小の製作寸法が高さ・幅ともに19センチメートルに設定されています。規格外の小窓や、変形した窓枠にも対応しやすいのが特徴です。ただし、網(ネット部分)は別売りになっている製品が多く、枠と一緒に用意しておく必要があります。
既製品の網戸との違い
既製品の網戸は、あらかじめ決められた規格サイズの中から選ぶ形になります。サイズが合えば取り付けはそのぶん簡単ですが、規格の間に該当する窓や、特殊な形状の窓には合わないことがあります。組立式は、枠を切って長さを合わせるため、規格の隙間になりやすい窓にも対応しやすくなります。
一方で、既製品には枠の強度や仕上がりの均一さといった安心感があります。組立式は自分で寸法を合わせるぶん、採寸や切断の精度がそのまま仕上がりに影響します。どちらを選ぶかは、窓のサイズと、作業にかけられる時間のバランスで判断するとよいでしょう。
自作に向いている窓・向いていない窓
組立式のアルミ網戸が向いているのは、引き違い窓など網戸用のレールがすでにある窓です。レールに沿って枠をはめ込む構造のため、レールがない窓には別売りの取付金具や、レールがなくても使えるタイプの網戸を検討する必要があります。
マンションなど集合住宅のサッシに取り付ける場合は、コンクリートサッシ用の取付金具が別途必要になることがあります。取り付け前に、管理組合の規約で外観の変更が制限されていないかを確認しておくと安心です。
費用の目安
組立式のアルミ網戸キットの価格は、サイズによって差があります。小さいサイズでおおよそ7000円前後、大きいサイズやコンクリートサッシ用の金具が必要なタイプでは1万円を超えることもあります。網(ネット部分)は別売りのため、数百円から数千円ほどの追加費用も見込んでおくとよいでしょう。
価格は販売店によって変わるため、最新の金額はホームセンターや通販サイトの商品ページで確認しておくと安心です。工具一式が付属しているキットであれば、金のこや押さえゴムを別途そろえる手間が省け、合計費用を把握しやすくなります。
| サイズ | 取付け可能な高さの目安 | 取付け可能な幅の目安 |
|---|---|---|
| 小 | 96センチメートルまで | 95センチメートルまで |
| 中 | 142センチメートルまで | 95センチメートルまで |
| 大 | 187センチメートルまで | 95センチメートルまで |
| 幅特大 | 187センチメートルまで | 144センチメートルまで |
このほかに、高さだけを伸ばした「高さ特大」タイプもあり、高さ210センチメートルまでの掃き出し窓などに対応できます。実際に購入する前は、サイズ表と自宅の採寸を照らし合わせておくと安心です。
例えば、腰高窓でよくある高さ120センチメートル、幅90センチメートル程度の窓であれば、中サイズのキットで足りることが多くなります。掃き出し窓のように高さが180センチメートルを超える場合は、大サイズや高さ特大のキットが必要になるため、購入前にサイズ表と実際の採寸を照らし合わせておくと安心です。
- 組立式のアルミ網戸は、枠を現場でカットして自分の窓に合わせる網戸です。
- 最小の製作寸法は高さ・幅ともに19センチメートル程度からとなっています。
- 網(ネット部分)は別売りの製品が多く、枠と別に用意しておく必要があります。
- 引き違い窓などレールがある窓に向いており、集合住宅では管理組合への確認が安心です。
- キットの価格はサイズによって差があり、7000円前後から1万円台まで幅があります。
採寸から組み立てまでの手順
ここでは、窓のサイズを測るところから、枠のカット、網の張り付けまでの流れを順番に整理します。手順を一つずつ押さえておくと、仕上がりのゆがみを防ぎやすくなります。
窓枠の採寸方法
採寸では、金属製のメジャーを使い、窓枠の内側の端から端までをミリ単位で測ります。布製や樹脂製のメジャーはたわみやすく、誤差の原因になるため避けたほうが無難です。高さは左右と中央の3か所を測り、幅も同様に複数箇所で確認します。
複数箇所の数値に差がある場合は、一番小さい寸法に合わせて枠を仕上げます。大きめに作ってしまうと窓にはまらなくなるため、採寸の段階では余裕を持たせず、実測値どおりに記録しておくことが大切です。大きな窓を測るときは、一人で作業するとメジャーがずれやすいため、二人で測ると精度が上がります。
枠のカットと組み立て
採寸した寸法に合わせて、キットに付属する金のこで枠材をカットします。切断面は多少斜めになりやすいため、仕上げ寸法よりも1ミリほど長めに切り、棒やすりで平らに整えてから長さを合わせると、きれいな直角に仕上がります。
コーナー部分がカセット式になっている製品では、切った枠材を差し込むだけで四角い枠を組み立てられます。溶接や接着剤を使わない構造のため、特別な技術がなくても組み上げられますが、四隅の直角がずれると網戸全体がゆがむ原因になるため、組み立て後に対角線の長さを確認しておくと安心です。
ネットの張り方と仕上げ
枠が組み上がったら、ネット(網)を枠の上に重ね、専用のローラーで押さえゴムを溝に押し込みながら固定します。ネットは枠より一回り大きいサイズを用意し、たるみが出ないよう均等に張りながら作業を進めます。
押さえゴムをすべて押し込んだら、枠からはみ出したネットの余分な部分をカッターで切り落として仕上げます。裏側から刃を入れると切り口がまっすぐそろいやすくなります。仕上げに、枠と窓のあいだにすき間が残る場合は、すき間テープを併用すると、がたつきや虫の侵入を防ぎやすくなります。
よくある失敗と対策

組立式の網戸でよくある失敗は、採寸の誤差によって枠が窓にはまらなくなることです。特に、複数箇所を測らずに1か所だけの数値で加工を進めてしまうと、誤差に気づかないまま仕上げてしまうことがあります。採寸は必ず複数箇所で行い、一番小さい寸法を基準にします。
もう一つの失敗は、ネットの張りが不均一になり、たるみやしわが残ることです。ローラーで押さえる順番を一方向にそろえ、少しずつ均等にネットを送りながら押し込むと、たるみを抑えやすくなります。
枠は仕上げ寸法より少し長めに切り、やすりで整えます。
コーナー部を差し込んだら対角線の長さを確認します。
ネットは一方向にそろえて均等に張ります。
Q1. 採寸を少し間違えて枠を短く切ってしまった場合はどうすればよいですか。
A. 短く切った枠は元の長さに戻せないため、新しい枠材を用意して切り直す必要があります。仕上げ寸法より気持ち長めに切っておくと、こうした失敗を防ぎやすくなります。
Q2. 金のこ以外に用意しておくと便利な道具はありますか。
A. 棒やすり、メジャー、プラスドライバー、カッターナイフがあると作業がスムーズです。対角線を確認するための長めのメジャーも用意しておくと安心です。
- 採寸は金属製のメジャーで複数箇所を測り、一番小さい寸法を基準にします。
- 枠は仕上げ寸法より少し長めに切り、やすりで平らに整えます。
- コーナー部を組み立てたら、対角線の長さを確認してゆがみを防ぎます。
- ネットは一方向にそろえながら均等に張り、たるみを防ぎます。
網の素材とメッシュの選び方
枠を組み立てたあとに選ぶネット(網)にも、素材やメッシュの細かさによって特徴があります。ここでは、日常使いに向く組み合わせと、ペットがいる家庭で確認しておきたい点を整理します。
メッシュの細かさによる違い
網戸のネットには、18メッシュ・20メッシュ・24メッシュなど、目の細かさが異なる種類があります。数字が大きいほど網目が細かくなり、コバエなど小さな虫の侵入を防ぎやすくなりますが、そのぶん風通しはやや落ちる傾向があります。
蚊や一般的なハエを防ぐことが目的であれば、18メッシュや20メッシュでも実用上は十分とされています。コバエのような小さな虫が気になる場合は、24メッシュを選ぶと侵入を抑えやすくなります。ただし、網目が細かくなるほど、同じ素材であれば強度はやや下がる傾向がある点も踏まえておくとよいでしょう。
ペットがいる家庭向けの網
猫や犬を飼っている家庭では、爪をひっかけても破れにくい網を選んでおくと安心です。ポリエステル製の網は、一般的なポリプロピレン製の網に比べて厚みがあり、引っかき傷に強い製品として販売されています。
さらに耐久性を求める場合は、ステンレス製の網も選択肢になります。汚れがつきにくく、長期間風通しの良い状態を保ちやすい一方で、価格はポリプロピレン製やポリエステル製に比べて高めです。飼っているペットの体格や、ひっかく力の強さに応じて選ぶとよいでしょう。
色による見えやすさの違い
網戸のネットには、グレーやブラック、外側が銀色で室内側が黒色になっているタイプなど、色の違いがあります。ブラック系は景色がクリアに見えやすい一方、網の存在が分かりにくくなるため、人の出入りが多い掃き出し窓では網戸に気づかず衝突する事例も報告されています。
人の出入りが多い窓には、存在感のあるグレー系の網を選んでおくと、うっかりの衝突を避けやすくなります。腰高窓のように人が出入りしない窓であれば、景色の見えやすさを優先してブラック系を選ぶといった使い分けもできます。
耐久性と張り替えの目安
ポリプロピレン製の網は、紫外線の影響で数年から5年程度で劣化しやすいとされています。直射日光が長時間当たる窓では、劣化の進み方が早くなる傾向があるため、色あせや破れが目立ってきたら張り替えの時期と考えてよいでしょう。
ステンレス製の網は15年から20年程度使い続けられる場合もあり、長期的に見ると張り替えの手間を抑えられます。自作でネットだけを交換したい場合も、組立式の枠であればネット部分のみを購入して張り替えられます。
| 種類 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 18〜20メッシュ | 風通しがよい標準的な網目 | 一般的な蚊・ハエ対策 |
| 24メッシュ | 網目が細かく小さな虫を防ぎやすい | コバエが気になる窓 |
| ポリエステル製 | ポリプロピレンより厚みがあり丈夫 | ペットがいる家庭 |
| ステンレス製 | 汚れに強く長期間使える | 耐久性を重視したい窓 |
例えば、台所の窓でコバエの侵入が気になる場合は、24メッシュのポリプロピレン製かポリエステル製の網を選ぶと、日常的な虫対策として扱いやすくなります。猫を飼っている居間の窓であれば、ポリエステル製かステンレス製の網に切り替えることで、爪によるほつれを抑えやすくなります。
- メッシュの数字が大きいほど網目が細かく、小さな虫を防ぎやすくなります。
- ペットがいる家庭では、ポリエステル製やステンレス製の網が向いています。
- 人の出入りが多い窓には、存在感のあるグレー系の網が向いています。
- ポリプロピレン製は数年から5年程度、ステンレス製は15年以上使える場合があります。
安全に使うための注意点
アルミ網戸は軽い力でも開けやすい構造のため、設置環境によっては注意しておきたい点があります。ここでは、高い場所への設置や、小さな子どもがいる家庭で確認しておきたいことを整理します。
高層階での設置における注意
組立式のアルミ網戸は、強風や突風の影響を受けやすい7階以上の窓には取り付けないよう案内されています。メーカー公式の注意事項でも、強風時に網戸があおられて外れるおそれがあるとされており、高層階では別の対策を検討したほうが安心です。
低層階であっても、台風など強い風が予想される日には、網戸を室内側にしっかり固定できているか確認しておくと安心です。風の通り道になりやすい角部屋や高台の住宅では、平地よりも風の影響を受けやすいため、設置階数だけでなく周辺の環境も踏まえて判断すると安心です。
小さな子どもがいる家庭での注意
消費者庁の注意喚起では、子どもが網戸にもたれかかった際に網戸が外れ、屋外へ転落した事例が報告されています。網戸は人がもたれても体を支えられる構造にはなっていないため、窓やベランダの手すり代わりに使わないことが大切です。
小さな子どもがいる家庭では、窓や網戸に補助錠を取り付け、子どもの手が届かない位置で施錠しておくと、思わぬ開閉を防ぎやすくなります。網戸は小さな子どもの力でも簡単に開く場合があるため、施錠は網戸だけでなく窓本体にも行っておくと安心です。
集合住宅で設置する前の確認事項
マンションなど集合住宅のサッシに組立式の網戸を取り付ける場合、通常のレール用金具ではなく、コンクリートサッシ用の別売り金具が必要になることがあります。サッシの形状や取付け条件によっては、金具を使っても取付けできない場合がある点にも注意が必要です。
また、外観の変更にあたる場合は、事前に管理組合の規約を確認しておくと、取り付け後のトラブルを避けやすくなります。賃貸住宅の場合も、退去時の原状回復が条件になっていることが多いため、取り付け前に管理会社や大家に確認しておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。
定期点検とメンテナンスのタイミング
網戸は屋外の環境にさらされ続けるため、枠にほこりや排気ガス由来の汚れがたまりやすくなります。汚れを放置すると、枠の腐食や劣化につながるおそれがあるため、こまめに拭き掃除をしておくと長持ちしやすくなります。
ネットのたるみや破れ、押さえゴムの劣化が目立ってきた場合は、部分的な張り替えを検討する時期です。枠自体にガタつきが出てきた場合は、コーナー部品や戸車など、消耗しやすい部品から点検すると、原因を見つけやすくなります。
網戸に体重をかけて手すり代わりに使わないようにします。
子どもの手が届かない位置に補助錠を取り付けます。
集合住宅では管理組合の規約を事前に確認します。
Q1. 網戸に鍵をかけていれば、子どもの転落は防げますか。
A. 補助錠は有効な対策のひとつですが、それだけに頼らず、子どもから目を離さないことや、窓の近くに足場になる家具を置かないことも合わせて行うと安心です。
Q2. 網戸の枠がぐらつく場合、自分で直せますか。
A. コーナー部品のゆるみが原因であれば、差し込み直しで改善する場合があります。原因がはっきりしない場合や、枠自体がゆがんでいる場合は、無理をせずメーカーや施工業者に相談したほうが安心です。
- 組立式のアルミ網戸は、強風の影響を受けやすい7階以上には取り付けない案内になっています。
- 網戸に体重をかけると外れて転落につながるおそれがあるため、手すり代わりに使わないようにします。
- 集合住宅では、取付け金具の要否と管理組合の規約を事前に確認しておくと安心です。
- 汚れや部品の劣化は定期的に点検し、早めの張り替えでガタつきを防ぎます。
まとめ
アルミ製の組立網戸キットを使えば、規格品では合わせにくい窓にも、自分の窓に合わせた網戸を用意できます。仕組みそのものは難しくなく、手順を押さえておけば初めての方でも十分に対応できる作業です。
まず自分の窓を複数箇所で採寸し、サイズ表と照らし合わせながら必要なキットを選ぶところから始めてみてください。網の素材やメッシュも、虫対策やペットの有無に合わせて選んでおくと、仕上がったあとの満足度が変わってきます。
採寸と組み立ての手順、網の選び方、安全に使うための注意点を押さえておけば、初めての方でも落ち着いて作業を進められるはずです。特に、高層階での取り付けや小さな子どもがいる家庭での使い方には気を配りながら、焦らず一つずつ確認して、ご自宅に合う一枚を仕上げてみてください。

