内窓アルゴンガスの寿命・価格・性能比較 | 窓と暮らし調査室｜初心者でもわかる窓・サッシ・ガラスの基礎知識ガイド

冬の冷え込みや夏の暑さをやわらげたいとき、「内窓（うちまど）」は手軽で効果的な方法として注目されています。その中でも、ガラスの間にアルゴンガスを封入したタイプは、断熱性能をさらに高められるとして人気が高まっています。

しかし、アルゴンガス入りの内窓は通常のタイプとどう違うのか、また価格や寿命、補助制度の対象になるのかなど、導入前に気になる点も多いでしょう。

この記事では、アルゴンガスの仕組みから性能の違い、コストや耐用年数、製品選びのポイントまでをわかりやすく解説します。初めてリフォームを検討する方でも安心して読めるよう、専門用語をなるべく使わず、図解的に整理しています。

「内窓アルゴンガス」の基礎知識と仕組み
アルゴンガス入り内窓の効果と体感
アルゴンガスの寿命・劣化と性能維持
価格・見積と費用対効果、活用できる補助制度
失敗しない選び方：製品・仕様・住まい条件の整理
施工・交換の流れと品質の要点
事例とトラブルQ&Aで学ぶ実践知
最新の技術と今後の展望
まとめ
当ブログの主な情報源

「内窓アルゴンガス」の基礎知識と仕組み

まずは、内窓に使われる「アルゴンガス」とは何かを理解しておきましょう。一般的な複層ガラスの間には空気が封入されていますが、アルゴンガスはその空気の代わりに注入される無色・無臭の不活性ガスです。化学的に安定しており、燃えたり反応したりすることはありません。

一方で内窓（二重窓）は、既存の窓の内側にもう一枚窓を設ける構造です。窓と窓の間に空気層ができることで、外気温の影響を受けにくくし、断熱・防音の効果を高めます。この空間のガラスにアルゴンガスを入れることで、さらに熱の伝わりにくさを向上させるのがポイントです。

アルゴンガスとは？空気との違いと安全性

アルゴンガスは空気よりも熱を伝えにくい性質を持っています。空気の熱伝導率を1とすると、アルゴンは約0.67ほど。つまり、外の熱や冷気が室内に伝わるスピードを3割ほど遅くできるというイメージです。さらに不燃性で毒性もなく、人体への悪影響はありません。そのため、建築や電子機器など幅広い分野で使われています。

内窓（二重窓）の基本：構造・メリット・デメリット

内窓とは、既存の窓の内側に新たに樹脂製の窓枠を取り付けることで、二重構造にするリフォームの方法です。断熱・防音効果のほか、結露の軽減や冷暖房効率の向上が期待できます。一方で、窓を二重にするため開閉の手間が増える、掃除がしにくいなどのデメリットもあります。設置場所や用途に応じてバランスを考えることが大切です。

Low-E複層ガラス＋アルゴンの仕組みを図解で理解

Low-E（ローイー）とは「低放射」を意味する特殊コーティングガラスのこと。内側または外側の面に金属膜が施されており、熱を反射して室内温度を一定に保ちます。このLow-Eガラスとアルゴンガスを組み合わせることで、ガラスの間の熱移動をさらに抑えられ、冬は暖かく夏は涼しい環境を実現できます。

断熱指標（U値）と日射取得（ηA）の読み方

断熱性能を数値で表すのが「U値（熱貫流率）」です。値が小さいほど熱を通しにくく、性能が高いことを示します。一般的に空気入りの複層ガラスでU値2.9、アルゴンガス入りで2.5、Low-E仕様ではさらに2.0前後まで下がります。ηA値（日射取得率）は日光の入りやすさを示す数値で、遮熱か断熱かの判断に使われます。

よくある誤解：アルゴン＝防音ガスではない理由

アルゴンガスは熱伝導率を下げる役割を持ちますが、防音のためのガスではありません。防音性能を左右するのは主にガラスの厚みと中空層の幅、そしてフレームの気密性です。そのため、アルゴン入りだからといって防音効果が劇的に上がるわけではない点に注意が必要です。

アルゴンガスは「断熱性の向上」に寄与する要素であり、防音や結露防止は副次的な効果です。購入前には目的（断熱・防音・省エネ）を整理して選ぶことが大切です。

具体例：例えば東京都内の築20年のマンションで、リビングの掃き出し窓にアルゴンガス入りLow-E内窓を設置したケースでは、冬場の室内温度が平均で2〜3℃上がり、結露の発生も約8割減少したという報告があります。

アルゴンガスは熱を伝えにくい安全な不活性ガス
Low-Eガラスと組み合わせることで断熱効果が向上
防音効果はガラス厚や気密性によって決まる
断熱性能を示す「U値」を理解するのがポイント
目的に応じた製品選びが大切

アルゴンガス入り内窓の効果と体感

次に、実際にアルゴンガス入りの内窓を導入すると、どのような効果が得られるのかを見ていきましょう。断熱性・防音性・結露対策といった性能面のほか、光熱費や体感温度の変化についても確認しておくことが重要です。

断熱性能の伸びしろ：冬の寒さ・夏の暑さへの効き方

アルゴンガス入りの内窓は、通常の空気入りガラスに比べて断熱効果が約1.3倍高いとされています。冬の冷気を遮り、暖房効率を上げるほか、夏の冷房負荷も軽減します。特に窓面積の大きいリビングや掃き出し窓では効果が顕著で、部屋全体の温度ムラが減ります。

防音はどこまで期待できる？周波数別の考え方

防音性能は「音の種類」によって違います。高音域（話し声やテレビ音）は比較的遮音しやすいのに対し、低音域（車のエンジン音や電車の振動）は構造上の対策が必要です。アルゴンガス入りガラスは音を減衰させる効果も多少ありますが、主に断熱目的と考えましょう。防音重視なら中空層の厚みを広げたタイプや防音ガラスとの併用が有効です。

結露はどれだけ減る？室内環境と運用のコツ

結露の主な原因は、窓ガラスの表面温度が室内の露点温度を下回ることです。アルゴンガス入り内窓ではガラス表面温度が上がるため、結露の発生頻度を大幅に減らせます。ただし、湿度が高い部屋では完全には防げません。換気や除湿器の併用で効果を高めましょう。

冷暖房費の変化と体感温度の違い

実際のデータでは、断熱性能を高めることで冷暖房費を年間10〜15％程度削減できるとされています。体感温度も平均で2℃前後改善するケースが多く、ヒートショック（温度差による健康被害）対策にも有効です。特に高齢者のいる家庭では安全性向上の観点からも評価されています。

遮熱Low-Eと断熱Low-Eの選び分け

Low-Eガラスには、日射を反射して夏の暑さを防ぐ「遮熱タイプ」と、室内の熱を逃がさない「断熱タイプ」があります。南向きの大開口窓なら遮熱タイプ、北側や寒冷地では断熱タイプが適しています。地域や方位に応じて選ぶと、より効率のよい室内環境をつくれます。

項目	空気入り	アルゴンガス入り
断熱性能（U値）	約2.9	約2.5
結露軽減効果	△（条件次第）	○（大幅改善）
防音性能	○	○（ほぼ同等）
価格	比較的安価	やや高い
寿命	約20年	約20〜25年

具体例：北海道の戸建住宅で、南向きのリビングにアルゴン入り断熱Low-E内窓を導入した場合、1月の暖房使用量が約12％減少し、結露の拭き取りがほぼ不要になったというデータもあります。

断熱性能は空気入りの約1.3倍で冷暖房効率が上昇
防音効果は限定的で、目的に応じた仕様選択が重要
結露対策には湿度管理と換気の併用が有効
体感温度が上がり、健康・省エネ面でもメリット
Low-Eの種類は方位や地域で選び分けるのが基本

アルゴンガスの寿命・劣化と性能維持

内窓に封入されたアルゴンガスは、半永久的に封じ込められているように思えますが、実際には時間の経過とともに少しずつ抜けていきます。ここではその寿命や劣化の原因、そして長く性能を維持するためのポイントを整理します。

ガスは何年もつ？一般的な耐用と想定シナリオ

メーカーの試験結果によると、アルゴンガスはおよそ20〜25年で初期量の10〜15％程度が減少するとされています。これは、わずかな漏えいが時間をかけて起こるためです。ただし、ガスが完全に抜けても急激に性能が落ちるわけではなく、断熱性能はゆるやかに低下していきます。住宅の寿命を考えれば十分長持ちするといえるでしょう。

漏えい・劣化の原因：スペーサー・封着材・施工品質

ガスが抜ける主な原因は、ガラスをつなぐ「スペーサー」や「封着材（シール材）」の劣化です。紫外線や温度変化の影響で樹脂が収縮し、微細な隙間が生じると、ゆっくりとガスが拡散します。施工時に気密が確保されていない場合も劣化を早める要因になります。

性能維持のポイント：納まり・気密・メンテ習慣

アルゴンガスの性能を長持ちさせるには、設置時の「納まり」が重要です。特に、枠と壁の隙間をしっかりと気密処理し、外気が侵入しないように施工することが基本です。定期的な窓枠の清掃やパッキンのチェックも、結露や汚れによる劣化を防ぐポイントになります。

保証・点検の考え方と交換判断の目安

多くのメーカーでは、ガラス内部のアルゴンガスに関する保証期間を10年程度に設定しています。ガス漏れは肉眼で確認しにくいですが、ガラス内部が曇る・結露するなどの変化が見られたら交換のサインです。リフォーム時には保証書と施工証明書を保管しておくと安心です。

ガス無しとの比較：長期での差が出る条件

ガス無しタイプとの違いは、特に寒冷地で顕著に現れます。室内外の温度差が大きいほど、アルゴン入りの効果が発揮されます。逆に温暖地では体感差が小さい場合もあるため、地域性を考慮して選ぶことが大切です。

アルゴンガス入りガラスの寿命はおおむね20〜25年。施工品質とメンテナンスで性能を長く保てます。保証期間と施工記録を必ず確認しておきましょう。

具体例：関東地方で築15年の戸建住宅を断熱改修したケースでは、アルゴンガス入り複層ガラスを採用後、冬場の結露がほぼ消失。20年経過後もU値の低下は約5％以内に収まったという報告もあります。

アルゴンガスは20〜25年でゆるやかに減少
漏えい原因は主にスペーサーや封着材の経年劣化
施工時の気密処理と定期清掃が性能維持の鍵
保証期間は10年程度、曇りや結露で交換を検討
寒冷地ほど効果が長持ちしやすい傾向

価格・見積と費用対効果、活用できる補助制度

ここでは、アルゴンガス入り内窓の費用感やコスト比較、さらに2025年度も継続予定の「先進的窓リノベ事業」など補助金制度についても整理します。導入前に相場と補助の対象条件を理解しておくことが、賢いリフォームにつながります。

相場観：サイズ・枚数・ガラス仕様でどう変わるか

一般的な腰高窓（幅1,200×高さ900mm）の場合、アルゴンガス入りLow-E複層ガラスを使った内窓の費用は工事費込みでおよそ6万〜9万円程度です。掃き出し窓など大開口タイプでは1枚あたり10万〜15万円前後になることもあります。空気入りタイプに比べて1〜2割ほど高価ですが、長期的な省エネ効果で元が取れる計算です。

グレード比較：フロート／Low-E／アルゴン／樹脂スペーサー

最もシンプルな「フロートガラス」から、Low-E＋アルゴン入り、さらに樹脂スペーサー仕様まで段階的に性能が向上します。価格差は1枚あたり2,000〜4,000円程度で、効果に対する費用対効果は高めです。断熱を重視するなら、アルゴン＋Low-E＋樹脂スペーサーの組み合わせが理想的です。

年間ランニングコスト削減の簡易試算

例えば東京の一般家庭でリビング・寝室を含む6枚の窓をアルゴンガス入り内窓に交換した場合、年間冷暖房費はおよそ7,000〜9,000円程度削減されると試算されています。10年で約7万円、20年で14万円の節約になり、設備投資としての回収効果も期待できます。

先進的窓リノベ等の補助制度の考え方と注意点

「先進的窓リノベ2025事業」では、対象グレードを満たす高断熱窓の設置に対して、最大50％程度の補助が受けられる見込みです。ただし、ガラスだけでなく枠材や設置条件にも基準があります。事前に登録業者に相談し、対象製品を確認しておくことが重要です。

見積でチェックすべき項目と落とし穴

見積書を確認する際は、「ガラス仕様（Low-E・アルゴン）」「中空層厚み」「施工費」「処分費」が明確に記載されているかを必ず確認しましょう。アルゴンガス封入の有無が明記されていないケースもあるため注意が必要です。また、補助金適用を前提にした価格提示の場合、還付時期にも留意しましょう。

補助金を活用すれば実質負担を半額近くに抑えることも可能です。制度は年度ごとに変更されるため、施工前に必ず最新情報を確認しましょう。

具体例：2024年度の補助金利用例では、LIXIL「インプラス」Low-E＋アルゴン仕様を3か所施工した家庭が、合計見積38万円に対し約17万円の補助を受け、実質21万円で断熱改修を完了しています。

アルゴンガス入りは空気入りより1〜2割高価
Low-E＋樹脂スペーサーの組み合わせが高性能
光熱費削減で10年程度で投資回収が見込める
補助制度は年度により条件が異なるため要確認
見積時は「アルゴン封入」の明記を必ずチェック

失敗しない選び方：製品・仕様・住まい条件の整理

アルゴンガス入り内窓を検討する際、見た目の価格や宣伝だけで判断してしまうと「思ったより効果がなかった」という結果になりかねません。ここでは、住宅の条件やライフスタイルに合わせた賢い選び方を紹介します。

LIXIL・YKK AP・三協アルミなどメーカーの違い

主要メーカーの製品はどれも断熱性能に優れていますが、細かな仕様や特徴が異なります。例えばLIXILの「インプラス」はデザイン性とカラーバリエーションが豊富で、YKK APの「プラマードU」は枠の気密性に定評があります。三協アルミはコスパ重視のモデルが多く、複数窓を一度に交換したい場合に向いています。

中空層厚み・ガス封入率・スペーサー材の選定

断熱性能は、ガラスの間の「中空層の厚み」に大きく影響します。一般的には12mm〜16mm程度が主流ですが、厚すぎると防音重視、薄すぎると断熱効果が弱くなります。アルゴンガスの封入率は約90％が標準で、アルミ製スペーサーよりも樹脂スペーサーの方が熱橋（ねつきょう）を抑えられます。

枠材（樹脂・木調）とカラー、意匠とメンテ

内窓の枠には主に樹脂製と木調樹脂製があります。樹脂枠は断熱性能が高く、メンテナンスも容易です。木調タイプはインテリアになじみやすい一方、価格がやや高めです。長く使うものだからこそ、性能とデザインのバランスを考えて選ぶと満足度が高まります。

戸建／マンションでの制約と管理規約の確認

マンションでは、外窓（共用部分）を交換できない場合が多く、内窓リフォームが現実的な選択肢です。ただし、管理規約で取り付け制限や工事届が必要な場合があります。戸建ての場合でも、外壁との干渉や窓枠の強度を確認しておくと安心です。

防犯・防災性能も踏まえた総合バランス

断熱性能ばかりに目が行きがちですが、防犯ガラスや合わせガラス仕様にすれば、空き巣対策や地震時の飛散防止にもなります。防音・断熱・防犯をトータルで考えることで、暮らしの安心感が一段と高まります。

アルゴンガス入り内窓は、「断熱」「防音」「デザイン」「安全性」の4要素のバランスで選ぶのがポイントです。カタログ数値だけでなく、実際の施工例や口コミも参考にしましょう。

具体例：リビングは断熱重視のLow-E＋アルゴン仕様、寝室は防音タイプ、浴室は樹脂枠＋結露対策といったように、部屋ごとに目的を分けて選ぶことで、コストを抑えながら快適性を最大化できます。

メーカーごとに性能やデザインに特徴がある
中空層厚み・スペーサー材が断熱性能を左右
樹脂枠は断熱性・気密性に優れる
マンションでは管理規約の確認が必須
断熱＋防音＋防犯を総合的に考えると安心

施工・交換の流れと品質の要点

内窓リフォームの仕上がりを左右するのは「施工品質」です。どんなに性能の良いガラスを選んでも、取付け方が悪ければ気密が保てず、効果が半減してしまいます。ここでは、工事の流れと注意点を確認しておきましょう。

現調から完成までの流れと所要時間

まずは業者による現地調査（現調）から始まります。窓のサイズや枠の歪みを測定し、最適な仕様を選定します。発注から製作までに1〜2週間、工事は1窓あたり1〜2時間程度で完了します。1日で複数窓の施工も可能です。

DIYは可能か？道具・難易度・リスク

最近はDIY用の内窓キットも販売されていますが、正確な採寸と水平出しが必要なため、難易度はやや高めです。特にアルゴンガス入りの複層ガラスは重量があるため、個人施工では破損のリスクもあります。コーキング処理を誤ると気密が保てない点にも注意が必要です。

既存枠の歪み・下地の癖と納まり対策

古い住宅では、既存のサッシ枠が歪んでいることもあります。そのまま取り付けると隙間やたわみが生じ、断熱効果が低下します。補助枠を使って調整し、水平・垂直を正確に取ることが大切です。施工経験のある業者なら、現場での微調整もスムーズです。

施工品質チェックリスト（気密・水平・シール）

完成後は以下の点をチェックしましょう。①開閉がスムーズか、②気密ゴムが均一に密着しているか、③シーリングが切れていないか。この3つを確認することで、初期不良や結露のリスクを減らせます。引き渡し時に必ず確認しておくと安心です。

業者選び：資格・実績・保証・アフター

信頼できる業者を選ぶには、施工実績やメーカー認定資格（例：LIXILリフォームネット加盟店）を確認しましょう。工事保証やアフターメンテナンスの有無も大切です。複数社の見積を比較し、説明の丁寧さや対応スピードを見極めると失敗が少なくなります。

工程	内容	所要時間の目安
現地調査	寸法測定・枠確認・仕様選定	約30分
製作期間	メーカー工場での特注製作	約1〜2週間
施工	枠取付・ガラス設置・気密処理	1〜2時間／1窓
確認・引渡し	開閉動作・シール確認・清掃	約15分

具体例：東京都内で4窓を施工した家庭では、朝9時開始で午後3時には全工程が終了。工事後すぐに断熱効果を体感できたという声もあります。

施工は1窓1〜2時間、1日で複数箇所の工事が可能
DIY施工は難易度が高く、気密不良のリスクあり
既存枠の歪み補正が断熱性能を左右する
施工後は開閉・シール・気密を必ず確認
業者選びは実績と保証内容を重視すること

事例とトラブルQ&Aで学ぶ実践知

ここでは、実際にアルゴンガス入り内窓を導入した人の体験談や、よくあるトラブルとその解決策をまとめます。リアルな声を知ることで、導入前の不安を減らし、トラブルを未然に防ぐことができます。

体験談から見る満足点と不満点

導入後の満足点として多く挙げられるのは、「部屋が暖かくなった」「結露が減った」「エアコンの効きがよくなった」などです。一方で、「思ったより防音効果が弱い」「窓の開閉が少し重い」という声もあります。つまり、目的と期待値を明確にしておくことが、満足度を左右します。

結露が残る／再発する時の点検ポイント

結露が完全に消えない場合、室内の湿度が高すぎることが多いです。加湿器の使用や洗濯物の室内干しを見直すほか、換気を心がけることで改善します。また、内窓の気密パッキンが劣化している場合も、結露を招く原因になります。

「ガス抜けかも？」と思ったら確認する順番

ガラス内部が曇る・白く見えるなどの症状が出た場合は、まず外側ガラスの汚れを確認しましょう。それでも改善しない場合、封着材が劣化してガスが漏れている可能性があります。施工業者に相談し、保証期間内であれば交換対応を受けられます。

防音が期待外れのケースと改善策

防音性能が思ったほど得られない場合、中空層の厚みが足りないか、気密が甘い可能性があります。内窓を追加で設置する「二重内窓」や、防音カーテンの併用も効果的です。音の種類（高音・低音）によっても対策方法が異なる点を理解しておきましょう。

よくある質問まとめ（お手入れ・耐久・更新）

お手入れは中性洗剤を薄めて柔らかい布で拭くだけで十分です。強いアルカリ洗剤や研磨剤は使用しないよう注意しましょう。耐久年数はおおむね20年以上。交換時期の目安は、ガラス内部の曇りや結露の発生、開閉の不具合が出たときです。

実際の体験談を参考にすると、断熱・結露対策としての満足度は非常に高い一方、防音効果やメンテナンスへの理解不足がトラブルの要因になりやすい傾向があります。

ミニQ&A：
Q1：アルゴンガスは抜けたら危険？ A1：いいえ、無害な不活性ガスのため人体への影響はありません。

Q2：自分でガスを再注入できる？ A2：できません。ガスは密閉構造内に充填されているため、交換対応が基本です。

導入満足度は高いが、防音目的では期待値の調整が必要
結露再発は湿度管理とパッキン劣化の確認が鍵
ガス漏れの兆候は曇りや白濁で判断できる
防音効果は中空層と気密性で決まる
清掃は中性洗剤でやさしく行うのが基本

まとめ

アルゴンガス入り内窓は、断熱・結露対策・省エネの面で高い効果を発揮する優れたリフォーム手法です。特に寒冷地や窓の多い住宅では、快適さと光熱費の両面で違いを実感できるでしょう。

一方で、防音効果や価格面での差は目的によって変わります。導入前に「何を重視するのか」を明確にし、ガラスの種類や中空層の厚み、枠材の仕様などを比較することが大切です。補助金制度を活用すれば、費用負担を抑えながら高性能な窓を導入することも可能です。

今後は、真空ガラスやスマート住宅との連携など、さらに進化した断熱技術が登場していきます。アルゴンガス入り内窓は、その基礎となる重要な存在として、これからの住まいづくりに欠かせない選択肢となるでしょう。

「内窓 アルゴンガス」の基礎知識と仕組み