家の「窓の下」にある出っ張りや台のような部分を見て、「この部分って何ていう名前なんだろう？」と思ったことはありませんか。実はこの部分には「窓台（まどだい）」や「水切り」など、用途や場所によって異なる名称があり、それぞれに大切な役割があります。
この記事では、窓の下の各名称や部位の違いを、初心者の方にもわかりやすく整理して解説します。木造住宅やアルミサッシなど、建物の構造による呼び方の違いや、実際にどの部分を指しているのかも具体的に紹介します。
また、窓の下の部分が傷んでしまう原因や、リフォームの際に気をつけたいポイントもあわせて取り上げます。読み終えたころには、「自宅の窓の構造を自分で説明できる」ようになるはずです。日常生活やDIYに役立つ基礎知識として、ぜひ参考にしてください。
窓の下の部分 名称とは？基本構造をわかりやすく解説
まず、家の「窓の下の部分」とはどこを指すのかを整理しておきましょう。一般的に、窓の下にある横長の板状の部材を「窓台（まどだい）」と呼びます。外側に見える金属部分は「水切り」、内側に見える木や樹脂の部分は「窓枠」や「カウンター」と呼ばれることがあります。
つまり、一口に「窓の下」といっても、構造の内外で名称が異なります。家の内側では窓台、外側では水切りが主役となり、どちらも建物を雨や結露から守る大切な役割を持っています。ここを理解すると、リフォームや修理の際に業者とのやりとりがスムーズになります。
窓の下の部分はどこを指すのか
窓の下の部分とは、窓ガラスのすぐ下に位置する水平の部材のことです。室内側では木製や樹脂製の窓台が多く、外壁側ではアルミやステンレスの水切りが使われます。見た目の印象を整えるだけでなく、雨水の侵入を防ぐ重要な部位です。
例えば雨が降ったとき、窓ガラスを伝った水が下に流れると、窓台が受け止め、外へ逃がす仕組みになっています。そのため、この部分が劣化すると、壁の中に水が染み込みやすくなります。
「窓台（まどだい）」と「まぐさ」の違い
「窓台」は窓の下に取り付けられた水平の部材を指します。一方、「まぐさ」は窓の上部に取り付けられる補強材です。どちらも窓を支える構造の一部ですが、役割は正反対です。窓台は荷重を受け止め、まぐさは上からの荷重を分散させます。
つまり、窓台とまぐさはペアで機能する関係にあります。どちらかが欠けると、窓枠全体の強度が低下するため、補修や交換時には両方を確認することが大切です。
サッシ・枠・額縁との関係
サッシとは、ガラスをはめ込む金属や樹脂製の枠全体を指します。その中で、窓の下側の枠を「下枠（したわく）」と呼び、これが窓台の上に載る構造になっています。室内から見ると、額縁（がくぶち）がその周囲を囲んで仕上げを整えています。
このように、窓台はサッシと額縁の中間的な存在です。見た目には一体に見えますが、それぞれが異なる素材・役割を持っています。
住宅の構造によって名称が異なる理由
木造住宅・鉄骨造・RC造（鉄筋コンクリート造）など、構造の違いによって窓まわりの部材名は変わります。木造では「窓台」「まぐさ」が構造体の一部ですが、鉄骨やRC造では「サッシ台」や「モルタル下地」と呼ばれることもあります。
つまり、建物の構造によって呼び方が異なるのは当然のことです。業者との打ち合わせでは、図面や写真を見ながら「ここを指しています」と確認するのが確実です。
具体例：たとえば、出窓の下に木のカウンターがある場合、それは窓台の一部です。外壁側に金属の板が張られていれば、それが水切りです。この2つがそろってこそ、窓の機能が保たれています。
- 窓の下の部分は内外で名称が異なる
- 「窓台」と「まぐさ」は上下で対の関係
- サッシや額縁とも密接に関係している
- 構造によって呼び方が変わるため注意
窓の下の部分に使われる主な名称と役割
次に、実際に使われている窓の下の部分の名称と、その役割を詳しく見ていきましょう。普段は意識しない部材ですが、素材や形によって機能が異なります。ここを理解すると、傷みや劣化の原因を早く見つけられます。
窓台（まどだい）の役割と素材
窓台は、窓を支える水平の土台となる部材です。木製が多く、内装の一部として見えるため、インテリア性も重視されます。最近では樹脂製や人工木など、水に強い素材も増えています。主な役割は、窓の荷重を受け止め、壁に分散させることです。
また、内装の窓台は小物を置いたり観葉植物を飾ったりと、デザイン面でも活用されます。劣化が進むと塗装がはがれやすくなるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
まぐさ（窓の上部材）との位置関係
まぐさは窓の上に設けられ、上からの荷重を左右の柱へ逃がす役割を果たします。窓台とまぐさは、構造上のペアであり、どちらも欠けてはいけません。特に大きな窓では、まぐさの強度が不足するとサッシが歪む原因になります。
窓の下だけでなく、上側の構造も合わせて理解することで、全体のバランスが見えてきます。
出窓や腰窓の下部にある「カウンター」
出窓や腰窓には、室内側に板状のスペース（カウンター）がついていることがあります。これは「内窓台」や「飾り棚」とも呼ばれ、機能的には窓台の延長です。飾り棚としても人気ですが、実は断熱や結露防止にも一役買っています。
ただし、出窓部分は外気にさらされやすいため、結露が発生しやすい場所でもあります。こまめな換気と乾燥が大切です。
外壁側に見える「水切り」の意味
外壁側の窓下にある金属製の細長い板が「水切り」です。雨水を外へ流し、壁の内部に水が入るのを防ぐためのものです。アルミやステンレスが主流で、角度をつけて水を逃がす構造になっています。
水切りが曲がったり外れたりすると、壁内に雨水が侵入し、腐食やカビの原因になります。外観チェックの際には、ここを見逃さないようにしましょう。
具体例：アルミサッシの住宅では、窓下の水切り板が外れたまま放置されているケースがあります。放置すると壁内に湿気がこもり、断熱材が劣化する原因となるため注意が必要です。
- 窓台は窓の土台であり、室内デザインにも関係
- まぐさは窓上部の補強材で、構造を支える
- 出窓のカウンターは装飾と断熱の両立
- 水切りは外壁を守る防水パーツとして重要
窓の下の部分を見分けるポイント
ここでは、実際に家の窓を見たときに「どの部分が何という名称なのか」を見分けるコツを紹介します。構造を理解しておくと、メンテナンスやDIY作業の際に混乱しにくくなります。特にサッシと窓台、水切りの位置関係を押さえておくと便利です。
サッシの構造と部品名称の基本
サッシは、窓ガラスを支える枠全体のことを指します。上下にある「上枠」と「下枠」、左右の「縦枠」から構成され、それぞれの中にレールやパッキンが組み込まれています。窓の下の部分を構成する「下枠」は、窓台の上に取り付けられ、外側に水切りを備えるのが一般的です。
つまり、窓の下には「窓台→サッシ下枠→水切り」という三層構造があると覚えておくと理解しやすいでしょう。
木造住宅とアルミサッシの違い
木造住宅では、窓台や枠が木材で作られていることが多く、断熱性や温もりが感じられます。一方で、アルミサッシは耐久性に優れ、外気の影響を受けにくいのが特徴です。近年では、木の質感を再現した樹脂サッシも増えています。
ただし、素材が違えばメンテナンス方法も変わります。木製なら塗装のはがれ、アルミなら結露や腐食に注意が必要です。
窓枠の見え方と内装仕上げの関係
内装によって窓まわりの印象は大きく変わります。窓枠が壁と同色の場合は一体感が出ますが、濃い木目調にすると窓台が際立ちます。額縁（がくぶち）や見切り材の仕上げも、窓の印象を決める大切な要素です。
また、リフォーム時には窓台や枠を交換せずに化粧カバーを取り付ける方法もあります。これにより見た目を整えながら工事コストを抑えることができます。
DIYで確認できる窓まわりチェック方法
DIYで窓の構造を確認する際は、まず窓台とサッシの境目を観察しましょう。指で軽く触ってみて段差があれば、そこが接合部分です。さらに、外に出て水切り板の角度や長さを確認すると、雨水の流れを理解できます。
特に古い住宅では、水切りが歪んでいたり、コーキングが切れている場合があります。早めに修復すれば、雨漏りを防ぐことができます。
具体例：築20年の木造住宅では、外側の水切り板にわずかな錆が発生していました。早めに交換したことで、壁内の雨漏りを未然に防げました。
- 窓の下は三層構造になっている
- 木造とアルミで名称や素材が異なる
- 額縁や見切り材も窓の印象を左右する
- DIYでも点検すれば劣化を早期発見できる
窓の下の部分のメンテナンスとトラブル対策
窓の下の部分は、雨水や結露の影響を受けやすい場所です。そのため、定期的な点検とメンテナンスを行うことが重要です。ここでは、よくあるトラブルとその対処法を紹介します。
結露で傷みやすい部分とその対処法
冬場に発生する結露は、窓台や下枠を劣化させる原因となります。放置すると木部が腐ったり、カビが生えることもあります。対処法としては、断熱性能の高い窓に交換する、または除湿器や換気を活用する方法があります。
また、窓台の塗装がはがれている場合は、耐水性のある塗料で再塗装すると長持ちします。
塗装のはがれ・腐食を防ぐメンテナンス
窓の下の部分は紫外線や温度変化の影響を受けやすく、塗装の劣化が進みやすい箇所です。特に南向きの窓では、年に一度の点検がおすすめです。木製窓台なら表面を軽く研磨し、クリア塗装を施すと見た目も美しく保てます。
アルミや樹脂製の場合も、汚れを中性洗剤で落とすだけでも劣化を防げます。
サッシ交換・リフォーム時の注意点
リフォームでサッシを交換する場合、窓台や水切りも同時に確認するのが理想です。古い窓台がそのままだと、新しいサッシとの間に隙間ができ、雨水が入り込むリスクがあります。施工前に業者へ「窓台や水切りの状態も確認してください」と伝えると安心です。
また、サッシ交換は外壁の一部を剥がす作業を伴うため、工期や費用を見積もり段階で明確にしておくことが大切です。
修理・補修を業者に依頼する目安
DIYでは難しい修理もあります。例えば、水切り板の取り替えやサッシ下枠の歪み修正は、専門工具と防水処理が必要です。木部が柔らかくなっている場合は内部まで腐食している可能性があるため、早めの専門業者依頼を検討しましょう。
また、費用の目安としては、小規模な補修なら1〜3万円程度、窓全体の交換なら10万円前後が一般的です。
ミニQ&A：
Q1. 結露防止テープを貼るだけで効果がありますか？
A1. 一時的な改善は可能ですが、根本的な解決には断熱性能の見直しが必要です。
Q2. 窓台が濡れてもすぐに乾けば問題ありませんか？
A2. 表面だけなら問題ありませんが、内部に水が染みると腐食の原因になります。乾燥と点検を心がけましょう。
- 窓の下は結露や紫外線で傷みやすい
- 塗装・清掃を定期的に行うと長持ちする
- サッシ交換時は窓台や水切りも確認
- 腐食がある場合は早めに業者へ相談
窓の下の部分を美しく保つ工夫
窓の下の部分は、外観にも室内の印象にも影響を与える重要なポイントです。長く使っていると、汚れや劣化が目立ちやすくなるため、見た目と機能の両面での工夫が欠かせません。ここでは、断熱やデザインを意識したメンテナンス方法を紹介します。
断熱材やパッキンの劣化チェック
窓の下は、外気の影響を受けやすい場所です。窓台やサッシの隙間には断熱材やパッキンが入っていますが、経年劣化すると冷気や湿気が侵入しやすくなります。定期的に触ってみて、すき間風や冷気を感じたら交換のサインです。
また、結露が頻発する場合は、パッキンの弾力が失われている可能性があります。ホームセンターで販売されている汎用パッキンを使えば、自分でも簡単に交換できます。
インテリアとしての窓台の活かし方
窓台は単なる構造部材ではなく、インテリアの一部としても活躍します。小物や観葉植物を置くことで、空間に奥行きを生み出すことができます。特に天然木の窓台は、木目の温かみが部屋全体をやわらかく見せてくれます。
ただし、直射日光が当たる窓では、日焼けや乾燥によるひび割れが起こることも。UVカット塗料で表面を保護すると長持ちします。
カーテン・ブラインドとのバランス
窓の下の印象は、カーテンやブラインドとのバランスにも左右されます。腰窓の場合、カーテンの丈を窓台の少し下で止めるとスッキリ見えます。一方で、出窓のように奥行きがある場合は、ロールスクリーンやウッドブラインドを使うと、空間を広く見せる効果があります。
また、カーテンレールの位置を少し上げるだけでも、全体のバランスが整い、窓の下部分がきれいに映えます。
DIYでできる簡単リメイクアイデア
窓台の表面が古くなったときは、DIYでリメイクするのもおすすめです。シートを貼る、ペイントする、あるいは薄い木板を重ねるだけでも印象が大きく変わります。最近では、賃貸でも使える剥がせるリメイクシートが人気です。
さらに、外側の水切りを塗装用スプレーで補修すれば、家全体の印象が明るくなります。道具や材料はホームセンターで手に入る範囲で十分です。
具体例：築15年の住宅で、木製窓台に白いリメイクシートを貼ったところ、部屋が明るくなり、汚れも目立たなくなりました。コストを抑えつつ印象を変える手軽な方法です。
- 断熱材やパッキンの劣化を定期点検する
- 窓台をインテリア要素として活用する
- カーテンやブラインドで見た目を整える
- リメイクシートなどDIYで手軽に補修できる
窓の下の部分に関するよくある質問
最後に、実際に寄せられる質問の中から、特に多いものをQ&A形式で紹介します。日常で気になっている疑問を解消することで、窓まわりの理解がより深まります。
窓の下の木の部分が腐っている場合どうすれば？
木製窓台が黒ずんだり、触ると柔らかい場合は内部が腐食している可能性があります。軽度なら表面を削って補修できますが、奥まで劣化している場合は交換が必要です。DIYでの応急処置も可能ですが、長期的には専門業者の判断を仰ぐのが安全です。
「窓の下の出っ張り」は何という名前？
室内側に出っ張っている部分は「窓台（まどだい）」または「カウンター」と呼ばれます。外側に出ている金属板の場合は「水切り」が正式な名称です。見た目が似ていても、内外で名称と役割が異なる点がポイントです。
外側の金属カバーの役割は？
外壁側に取り付けられた金属のカバーは、雨水を建物内部に入れないための「水切り」や「笠木（かさぎ）」です。特に窓の下にある細長い板状のものは、水を外に流す傾斜を持ち、外壁を保護する大切な役割を果たしています。
窓の下から雨漏りする原因は？
窓の下から雨漏りする場合、多くは水切りやコーキングの劣化が原因です。長年の紫外線や温度変化で隙間ができ、水が壁内に入り込むことがあります。放置すると断熱材や構造材が傷むため、早めの点検と補修が必要です。
ミニQ&A：
Q1. 外側の水切りを自分で交換できますか？
A1. 可能ですが、防水処理の精度が必要です。DIYに慣れていない場合は業者依頼をおすすめします。
Q2. 窓の下にカビが生えた場合の対処法は？
A2. アルコールスプレーで除菌し、乾燥させます。再発する場合は結露防止対策を見直しましょう。
- 窓の下の出っ張りは「窓台」や「水切り」
- 金属カバーは防水目的の重要部材
- 雨漏りの原因はコーキングや水切りの劣化
- 木部の腐食は早期発見と交換がポイント
まとめ
窓の下の部分は、普段あまり意識されませんが、建物の構造と快適さを支える重要なパーツです。室内側では「窓台（まどだい）」、外側では「水切り」と呼ばれ、それぞれが雨水や荷重を受け止める役割を担っています。見た目が似ていても、位置や素材によって名称や機能が異なる点がポイントです。
また、木製やアルミ、樹脂などの素材によっても、メンテナンスの方法は変わります。定期的に汚れや塗装のはがれをチェックし、結露や劣化を放置しないことが長持ちの秘訣です。窓まわりをきれいに保つことで、断熱性や防音性も維持できます。
この記事を通じて、「窓の下の部分 名称」についての理解が深まり、自宅の窓を観察するきっかけになれば幸いです。構造を知ることは、家を長く大切に使う第一歩です。
