窓サイズの見方を押さえると、図面の数字や記号がただの暗号ではなく「家の窓の設計図」に見えてきます。新築の打ち合わせはもちろん、ガラス交換や網戸の追加でも、サイズの理解があるだけで話が早くなります。
ただし、窓の寸法には「図面上の寸法」と「現場で測る寸法」があり、同じように見えて少し違うことがあります。そこを知らないまま進めると、合わない部材を選んでしまうこともあります。
この記事では、図面での読み取り方から実測のコツ、サッシの呼称寸法(カタログ上のサイズ名)の考え方まで、初心者の方でも順番に理解できるように整理します。
図面でわかる窓サイズの見方
窓サイズは、図面の「窓記号」と「数字の並び」を読めるようになると一気に分かりやすくなります。まずは幅と高さ、次に位置の情報をセットでつかむのが近道です。
窓記号と数字の「並び」をつかむ
平面図や立面図では、窓は線や記号で表され、その近くに数字が書かれます。まず注目したいのは、数字が「幅→高さ」の順か、「高さ→幅」の順かです。図面のルールは現場や作成者で違うため、最初に凡例(図面の説明)を見るのが安全です。
また、窓の横にアルファベットや番号が振られていることがあります。これは窓の種類を区別するための呼び名で、同じ番号は同じ窓を意味することが多いです。つまり、数字だけで判断せず、記号とセットで読むのがポイントです。
幅×高さの表記と単位で迷わない
窓寸法の表記は、mm(ミリ)で書かれることが多い一方で、cm(センチ)やモジュールの数値のように見える書き方もあります。例えば「1650」とあれば、mmなら1,650mm(約165cm)です。まず単位を決め打ちせず、図面の注記を確認します。
さらに、同じ幅×高さでも「開口(壁の穴)」の寸法なのか「サッシ枠」の寸法なのかで意味が変わります。図面で“開口”と書かれていれば壁の穴、商品名や型式と並んでいれば枠の可能性が高い、といった具合に文脈で判断します。
取付高さや基準線で位置も読み取る
窓は大きさだけでなく、どの高さに付くかも大事です。図面にはFL(床の仕上がり面)を基準にした寸法が書かれることがあります。例えば「FL+900」のような表記は、床から900mmの高さを示すことが多く、腰窓か掃き出し窓かの判断材料になります。
一方で、天井や梁との関係を見るために、窓上端の高さが書かれることもあります。位置情報が分かると、家具の置き方やカーテンレールの納まりまで想像しやすくなります。サイズと位置をセットで読むと、図面が立体的に見えてきます。
| 表記の例 | 読み取りのヒント | 注意点 |
|---|---|---|
| W1650×H1100 | 幅1,650mm・高さ1,100mmの可能性 | 開口か枠かを注記で確認 |
| 16511 | 幅165cm・高さ110cmの呼称に見える | メーカーや図面のルールで異なる |
| FL+900 | 床からの取付高さの目安 | 上端か下端かの指定を確認 |
Q:図面の数字が「16511」のように並んでいて分かりません。
A:幅と高さを2〜3桁で区切る呼称に見えることがあります。ただし表し方は統一ではないので、凡例や同じ図面内の別の窓表記と見比べて規則を探すと読みやすくなります。
Q:図面で読めたサイズだけで部材を買っても大丈夫ですか。
A:小物なら合う場合もありますが、網戸やガラス、サッシ本体は実測で確認したほうが安全です。図面は設計値、現場は施工誤差があり得ると考えると判断しやすいです。
- 数字は単位と「幅・高さの順」を先に確認する
- 開口寸法か枠寸法かを注記で見分ける
- FLなど基準線から位置もセットで読む
- 不安なときは同じ図面内の別窓と見比べる
実測で確認する窓サイズの測り方
図面で理解できても、実際の交換や追加では現場の寸法が決め手になります。測る場所を間違えると数mmの違いが大きなズレになりやすいので、手順を決めて落ち着いて測ります。
どこを測るかで結果が変わる理由
窓の採寸で迷いやすいのが「どこを測るか」です。例えば、壁の穴(開口)を測るのか、サッシ枠の内側(内法)を測るのかで数値が変わります。目的によって正解が違うので、まず何を決めたいのかをはっきりさせると混乱が減ります。
例えば網戸を探すなら、レール間の寸法が必要になることが多いです。一方でガラス交換なら、ガラス自体の実寸に近い情報が求められます。つまり、同じ窓でも「欲しい寸法」が複数ある、と理解しておくのがコツです。
失敗しにくい採寸の手順と道具
採寸は、メジャー(できれば3m以上)とメモ、スマホの写真があれば十分始められます。まず幅を測るときは、内側の左端から右端までを水平に当てます。次に高さは、下から上までを垂直に測ります。斜めに当てると数mmずれやすいので、当て方は丁寧にします。
さらに、窓の種類によってはレール位置や段差があり、測るべき線が変わります。迷ったら、測った箇所が分かるように写真を撮り、メモに「どこからどこまで」を言葉で残します。後から見返せるだけで、選定ミスが減ります。
誤差を減らすための3点チェック
窓枠は、わずかな歪みがあることも珍しくありません。そのため、幅は上・中・下の3か所、高さは左・中・右の3か所を測ると安心です。数値が揃わない場合は、最小値に合わせて考えることが多いですが、目的次第で判断が変わります。
例えば部材が「入らない」失敗が怖いなら、余裕を見て小さめに寄せる考え方が合います。一方で、すき間を作りたくない部材なら、取付方法や調整代も含めて検討が必要です。3点の数値を残しておくと、相談もしやすくなります。
・目的:網戸の追加/ガラス交換/内窓の取付 など
・測った場所:内法/レール間/開口 など
・幅:上○mm・中○mm・下○mm
・高さ:左○mm・中○mm・右○mm
写真は「全体」と「メジャーの当たり」を2枚撮る
例えば、網戸を追加したいときは「レールの内側の幅」と「高さ」を測り、3点の最小値をメモしておくと判断しやすいです。加えて、レールの段差や戸車の出っ張りが分かる写真があると、後から型の違いに気づけます。
- 目的ごとに「必要な寸法」が違うと理解する
- 幅・高さは斜めにならないように測る
- 3点測定で歪みの影響を把握する
- 写真とメモで「測った場所」を残す
サッシのサイズ呼称と規格を読み解く
サッシや窓まわりの部材は、実寸そのままではなく「呼称寸法」で表されることがあります。ここを知らないと、数値が合っているのに選べないという迷いが起きやすいです。
呼称寸法と実寸がズレるしくみ
呼称寸法は、カタログや見積書で使われる“サイズ名”のようなものです。見た目は実寸に近い数値でも、実際の枠やガラスの寸法とは数mm〜数cmずれる場合があります。理由は、取り付けのためのクリアランス(余裕)や枠の厚みが関係するからです。
つまり、呼称寸法は「設計や発注の共通言語」で、現場のミリ単位の実測とは役割が違います。まず呼称で候補を絞り、次に実測で適合を確かめる、という順番にすると理解しやすいです。
規格サイズ表の見方と選び方
規格サイズ表は、よく使われる窓のサイズを一覧にした表です。ここでは幅と高さがセットで並び、同じ種類の窓なら選びやすくなっています。まずは、自宅の窓が「引き違い」「FIX」などどのタイプかを確認し、同じタイプの表を見ます。
そのうえで、呼称寸法に近い行を探し、対応する製品や部材を確認します。ただし、同じ呼称でも枠の種類や取付方法で合わないことがあるため、最終的には型番やシリーズ名も合わせてチェックします。
型番確認と発注前の最終チェック
窓やサッシには、ラベルや刻印で型番が分かることがあります。型番が分かれば、同じシリーズの部材を探しやすくなり、サイズの取り違えも減ります。まずは室内側の枠や障子(動く方)の上部・側面などを見て、シールがないか探します。
型番が見つからない場合でも、メーカー名、窓の種類、ガラスの厚みの目安、採寸メモと写真があれば相談材料になります。結論として、寸法だけで決め切らず「シリーズ情報」も一緒にそろえるのが、安全な進め方です。
| 用語 | 意味 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 呼称寸法 | カタログ上のサイズ名 | 設計・発注の共通言語 |
| 実寸 | メジャーで測った数値 | 現場で合うかの判断材料 |
| 型番 | 製品シリーズを特定する情報 | 同じ部材を探す手掛かり |
Q:呼称寸法と実寸、どちらを優先すればいいですか。
A:候補を探す段階では呼称寸法が便利です。ただし最後は実寸や型番と突き合わせ、取り付け方法に合うかまで確認すると失敗が減ります。
Q:型番が見当たらないときはどうしますか。
A:メーカー名、窓の種類、採寸メモ(3点の数値)、全体写真とラベルがありそうな場所の写真をそろえると相談しやすくなります。情報が揃うほど判断が早くなります。
- 呼称寸法は「サイズ名」、実寸は「現場の数値」と分けて考える
- 規格サイズ表は窓の種類を合わせて見る
- 型番が分かると適合確認が一気に楽になる
- 発注前は寸法とシリーズ情報をセットで確認する
窓の種類で変わるサイズの考え方
同じ寸法に見えても、窓の種類が違うと見るべきポイントが変わります。開き方や部材の付き方が違うため、サイズの捉え方も少しずつ変わると覚えておくと安心です。
引き違い窓はレールや戸車も意識する
引き違い窓は、障子が左右に動くためレールが複数あり、網戸や戸車が関わります。採寸では枠の内側だけでなく、網戸が走るレール幅や段差も確認したいところです。ここを見落とすと、網戸の動きが悪い、引っかかるといった不具合につながりやすいです。
また、ガラスを交換する場合でも、障子を外してガラスを取り外す工程があるため、障子のサイズ感や取り外しの余裕も気にしておくと作業がスムーズです。つまり、引き違いは「動く部品が多い」と考えるとポイントが整理できます。
FIX窓はガラス交換の寸法が要
FIX窓は開かない窓で、見た目はシンプルですが、ガラス交換では寸法の取り方が重要です。枠にガラスが固定されるため、ガラスの実寸だけでなく、ゴム(グレチャンなど)や押さえ材の納まりも関わります。見た目の開口サイズだけでは決めにくいことがあります。
そのため、写真で枠の形状が分かるように残し、ガラスの厚みの目安も控えておくと安心です。さらに、現状が複層ガラス(2枚構成)か単板ガラスかで選び方が変わるため、見分けポイントも一緒に確認しておくと迷いにくいです。
すべり出し窓は開き代と干渉に注意
縦すべり出し窓や横すべり出し窓は、外側へ押し出すように開きます。サイズの考え方で大事なのは、枠の寸法だけでなく「開いたときにどこまで出るか」です。例えば外壁側に物干し金物や面格子があると、開き方が制限されることがあります。
また室内側でも、カーテンやブラインドが干渉して全開できないケースがあります。採寸と合わせて、周辺の障害物と開き方向をメモしておくと判断がスムーズです。サイズは数値だけではなく、動きまで含めて考えると失敗が減ります。
・引き違い:レール幅、網戸の走り、戸車の状態
・FIX:ガラスの厚み、枠の押さえ方、複層か単板か
・すべり出し:開き方向、開き代、周囲の干渉物
数値だけでなく「動き」や「納まり」を一緒に確認
例えば、すべり出し窓の近くに物干し竿がある場合、窓を開けると当たることがあります。採寸メモに「右に開く」「外側へ出る」「物干し金物が近い」と書き、写真も添えると、交換や追加部材の検討がしやすくなります。
- 窓の種類で見るべき部材が変わる
- 引き違いはレールや網戸の寸法も重要になる
- FIXはガラス厚や枠形状の情報が効く
- すべり出しは開き代と干渉を必ず確認する
リフォームで失敗しないサイズの決め方
リフォームや交換では、既存の枠をどう扱うかで必要な寸法が大きく変わります。さらに、暮らし方の希望も絡むため、寸法と目的を整理してから選ぶと納得感が高まります。
既存枠を残すかで必要寸法が変わる
窓の工事には、既存の枠を残して新しい枠をかぶせる方法と、枠ごと交換する方法があります。前者は工事が比較的コンパクトになりやすい一方で、開口が少し小さくなることがあります。つまり、同じ場所でも「完成後の有効寸法」が変わる可能性があります。
そのため、今の窓で困っている点が「寒さ」なのか「開閉の重さ」なのかで、優先すべき判断が変わります。まずは工法の方向性を決め、次に必要寸法をそろえる順にすると、話がこじれにくいです。
採光・通風・断熱のバランスを整理する
窓サイズは、採光(光の入り)や通風(風の通り)に直結します。一方で、窓が大きいほど熱の出入りも増えやすく、断熱面では不利になることがあります。そこで、どこを重視するかを部屋ごとに整理すると選びやすくなります。
例えばリビングは明るさを重視しつつ、寝室は冷えにくさや結露の少なさを優先する、といった考え方です。結論として、窓サイズは「見た目」だけでなく、暮らしの困りごとを減らす道具として考えると納得しやすいです。
業者へ伝える情報を1枚にまとめる
相談するときは、採寸の数字だけを渡すより、状況が伝わる情報を1枚にまとめるとスムーズです。例えば、窓の種類、開き方、困っている点、採寸メモ(3点測定)、全体写真と細部写真があると、相手も判断しやすくなります。
さらに、工事の制約も共有するとやり直しが減ります。マンションなら管理規約、戸建てでも外壁側に足場が必要か、といった条件です。情報が揃うほど、見積もりや提案の精度が上がりやすくなります。
| 伝える項目 | 具体例 | 目的 |
|---|---|---|
| 窓の種類と開き方 | 引き違い/FIX/縦すべり出し | 適合する製品候補を絞る |
| 採寸メモ(3点) | 幅:上中下/高さ:左右中 | 歪みや誤差を共有する |
| 写真(全体+当たり) | 窓全体とメジャーの当て方 | 測った場所を明確にする |
例えば、窓が寒いのが悩みなら「部屋の用途」「冬に結露が出る場所」「窓の種類」「採寸メモ」「写真」を1セットにして渡すと、断熱面の提案が受けやすくなります。数値だけより、暮らしの状況が伝わるのが大きいです。
- 工法で必要寸法が変わるので先に方向性を決める
- 部屋ごとに採光・通風・断熱の優先順位を整理する
- 採寸メモは3点測定と写真で裏付ける
- 伝える情報を1枚にまとめると相談が早い
まとめ
窓サイズの見方は、図面の数字を読む力と、現場で正しく測る力の2つがそろうと安定します。まずは単位、幅と高さの順、開口なのか枠なのかを確認するだけでも、図面の理解がぐっと進みます。
次に、実測では「どこを測った数値か」をはっきりさせ、3点測定で歪みを把握するのがコツです。呼称寸法と実寸の役割の違いも知っておくと、カタログや見積書の数字に振り回されにくくなります。
リフォームや交換では、工法や目的で必要な寸法が変わるため、採寸メモと写真をセットで用意して相談するのが近道です。数字をただ並べるのではなく、状況が伝わる形に整えると、失敗の芽を先に摘めます。


